日本人にはセザンヌやルノワール、モネなど印象派の絵画が人気ですが
私はそれより以前の16~18世紀、オランダフランドル地方の花卉画
(花の絵画)が大好きです。当時は宗教画や神話画、歴史画などが高く
評価され、花卉画は西洋絵画史の中ではあまり重要視されなかったけど
特定の時期に特定の地方で発達し独自のジャンルを確立した特別な絵画
なのです。テキスタイルデザイナーになったのも花卉画との出会いがあ
ったからです。
花卉画とデザイン画との共通点
花卉画には同じ形の花が複数の作品に使われていて、それはデッサ
ンや写生などの資料の存在を示します。同じ構図の絵が何枚も存在
するものもあります。又、違った季節の花を一緒に構成しているこ
とからも静物画のように実物を見ながら描いているわけではなく、
作品として画面上で人工的に構成された花の絵という点がデザイン
画と共通していると言えるでしょう。